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在宅抗がん剤治療

当院の抗がん剤治療について

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通常、がんと診断され治療を希望される方に対しては、
・病院へ入院する「入院がん化学療法」
・病院に通院する「外来がん化学療法」
上記二通りのうち、どちらかの方法での治療になるケースがほとんどです。

ただ、様々な理由から、
どうしても入院も通院もできない患者さんがいらっしゃいます。

当院は「がん薬物療法専門医」が
そのような病院に入院も通院もできない患者様に対し、
「在宅でがん化学療法を提供する」という、
日本の中でも新しい取り組みを行っている、訪問診療に特化したクリニックです。

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がん薬物療法専門医とは?

がんに対する薬物療法の高度な知識や技量、経験があると認められた医師の事です。
がん薬物療法としては、化学療法、分子標的療法、内分泌療法などがあります。
十分な薬物療法の実績や経験と幅広い臓器のがんへの理解をもち、
先端的な臨床開発研究についても詳細な説明責任が果たせ、完遂できることができます。

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院長からのメッセージ

当院の在宅抗がん剤治療ページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
私は、2023年7月に訪問診療に特化したクリニックとして、鶴田クリニックを開業いたしました。

クリニック開業前は腫瘍内科医・がん薬物療法専門医として、
福岡市内の複数のがん拠点病院で勤務を行い、たくさんのがん患者さんの診療にあたってきました。
私の様なキャリアの医師は「がん拠点病院」などの大病院でずっと勤務する場合が多く、
開業する方は非常に少ないので「なんでこんな経歴の先生が開業したの?」と思われる方も多くいらっしゃいます。

なぜ、私が開業という選択肢に至ったかというと、
昨今の新型コロナウイルス感染症の流行がきっかけでした。
新型コロナウイルス感染症は医療界に大きな影響を与えたのは皆さまもご承知の通りだとは思いますが、
特にがん治療の領域においては「置き去りにされたがん患者さん」が数多く生まれてしまいました。

がん治療の過程で長生きできる可能性があっても、
身体的・社会的事情で入院や通院が困難な患者さんがいらっしゃるのですが、
それがコロナ禍でより強く影響してしまい、入院や通院が困難な方々が多くなってしまっている...
そのような状況を目の当たりにし、
「在宅であっても、大きな病院で行う治療と同水準の抗がん剤治療を提供できるクリニックがあったら良いな」
と考え開業を思い立ちました。

「緩和ケア病院を勧められたけど、がん治療や輸血はできないと言われた。」
「大きい病院との縁が切れるような気がする。」
「今の治療が適切かどうか知りたい」
「がんと言われたけど、どこの先生に診てもらった方がいいの?」
このようなお悩みをお持ちの患者様とそのご家族、
また、そのような患者様と関わりのある、医療関係者の方々はぜひ一度ご相談ください。

院長 鶴田 展大

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治療の様子の一例

治療の様子の一例

看護師がルート確保を行っている様子。
※CVポートにコアレスニードルを穿刺

治療の様子の一例

抗がん剤を投与している様子。
リラックスされています。
※輸液ポンプ使用

治療の様子の一例
治療の様子の一例

抗がん剤の投与中は、定期的なバイタル測定を行います。

治療の様子の一例
治療の様子の一例

抗がん剤の投与後、生理食塩液のフラッシュを行い針を抜きます。

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費用について

在宅での抗がん剤治療という事で、
治療費が不安になる患者様もいらっしゃるかもしれないのでご案内いたします。

基本的には薬代も含め、保険診療で対応いたします。

※また、所得額や加入している保険組合にもよりますが、
 基本的には高額療養費制度の対象となります。
 詳しくはスタッフへお尋ねください。

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お問い合わせについて

お問い合わせをいただいた後の流れについては、
患者様の状況によって大きく異なりますので、

まずは、お電話・お問い合わせフォームのいずれかで、ご連絡をお願いいたします。
担当者が状況をお伺いいたします。

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がん患者様、ご家族様へ

まずは、大変なお病気をされてしまった患者さま・ご家族さまの心中をお察し申し上げます。

患者さま・ご家族さまは、がんの診断がついたら一生懸命良い治療がないか調べることが多いです。
(これは、当然のことだと思います。)
今はインターネットが普及しており、複数の情報に迷われる方や効果が怪しい健康食品にお金を使ってしまう方も多いです。
そのため最初に自分がどんな病気でどんな治療が一般的なのか、
専門医の先生のお話を聞いた方が結果として患者さんにとっていいと考えています。

当院が行った説明内容は、ぜひインターネット等で調べて頂いても大丈夫です。
(先生によっては、嫌な顔をされる先生も多いでしょうが、当院で行う治療に自信を持っています。)

患者さんの状態ごとで説明の内容や説明の量を調整していきますので、
怖い説明をいきなり頭ごなしに行うことも絶対にしません。
「なんとなく家で過ごしたいけれど病気が悪くなったら病院に入りたい。」
「悪くなったらどこか施設がないか探したい。」
在宅以外でも一緒に療養の場所を考えることもできます。

もちろん、まだ外科治療や放射線治療などのがん治療ができそうな方は、
当院から大きな病院にご紹介し直すこともいたします。
がんのことで困ったら、ぜひご相談ください。

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医療機関の皆様へ

「もうちょっと治療できるかもしれないけど、社会的に治療が難しい。」
「治療を引継ぎたいが、予後が3か月以上はありそうなのでホスピスへの紹介が難しい」
「療養の場所は、自宅ではなく施設やホスピスなどを考えているが連携先を探すのが難しい」
などの状況であれば患者様をご紹介頂けたらと存じます。

地域の病院の先生方とも連携を行い、福岡のがん治療のレベルを共に上げていける様に頑張りたいと思っています。
また当院では、自費で行う効果の証明されていないがん治療ビジネスは行いませんし、
そういった医療機関のご紹介もできませんので併せてご了承ください。
 

また院長の鶴田は、研究者としても活動を行っています。
全国で12か所しかない「がんゲノム医療中核拠点病院」でエキスパートパネル用のゲノムレポートの作成なども行っていました。
(がん細胞の遺伝子を調べて治療薬の可能性を探す検査で現在は保険適応となっていますが、
対応できる人材や整備が整っておらず、九州では九州大学病院や九州がんセンターなどの大きな病院等でしか検査ができないといった地域格差などが大変問題になっています。)

主な研究内容ですが九州大学大学院在学中に、
mRNAの脱メチル化酵素が2018年ノーベル医学・生理学賞受賞された「保険の通ったがん免疫療法」の効果に強く関係するPD-L1分子の動的変化に関わることを世界で初めて報告しました。*1)

また、世界で最も権威のある学術雑誌の一つであるNature Review誌*2)でも2022年2月に引用されています。
(現在、治療開発も検討されている様です。この研究が世界中のがん患者さんを救う研究になればいいなと考えております。)

体外的な活動としては、複数の臨床試験グループ(新薬の治験を行うグループ)での活動や、
がん患者様を救う様な新規のシステムを構築するために、複数の大企業と連携して新規のがん遺伝子パネル検査等の開発や治療までのシステム構築も行っている途中です。

日本中のがん患者様に希望を与えられるように頑張ってまいりますので、今後ともよろしくお願いします。

*1)「RNA N6-methyladenosine demethylase FTO regulates PD-L1 expression in colon cancer cells」 Biochem Biophys Res Commun. 2020 Sep 10;530(1):235-239.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32828292/
*2)「Mechanisms regulating PD- L1 expression in cancers and associated opportunities for novel small- molecule therapeutics」 Nat Rev Clin Oncol. 2022 Feb 7.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35132224/