初めての方へ
訪問診療と往診の違い
first訪問診療と往診は、似た言葉であり、混同されることも多い言葉です。訪問診療も往診もご自宅に医師が訪問して診療を行うことですが、両者には計画的に訪問して行う診療か、臨時的に行う診療かという点に最大の違いがあります。
訪問診療
訪問診療は、患者さまやご家族と相談して決定した診療計画に基づき、定期的に医師がご自宅にお伺いして、計画的に治療や経過観察などの診療を行うことです。
訪問診療の場合は、24時間体制で対応を行います。また、ケアマネジャーや訪問看護ステーション、訪問介護サービスなどさまざまな事業所と連携して診療を行います。
往診往診は、患者さまからの急な要請を受けて医師がご自宅にお伺いし、必要な検査や治療を行う医療行為です。突発的な病状の変化に対し、臨時に医師が赴いて行う診療であり、訪問診療のように他の医療機関や介護支援・介護サービス事業所と連携して診療計画を立てることはありません。
在宅療養をご希望される際には、定期的に医師が訪問し、継続して病状の管理ができる訪問診療をご利用ください。患者さまのご体調が急変したような場合や臨時の診療が必要な場合には、患者さまのご要望に応じて往診を行っています。当院は、24時間、365日、ご自宅で療養される患者さまの生活を見守る体制を整えていますのでご安心ください。
在宅医療における多職種の連携
患者さまやご家族さまに最適な在宅医療を提供するためには、医療機関や訪問看護ステーション、調剤薬局、介護支援・介護サービス事業所など、さまざまな機関のさまざまな専門職の方々との連携が必要になります。
当院も福岡市内の医療機関や介護事業所などと連携し、積極的に情報を共有しながら、患者さまにより良い医療を提供できるように努めています。
ご利用の流れ
first訪問診療の利用開始までの流れをご紹介します。
初診時には、次のものをご用意ください。
- かかりつけ医からの紹介状(かかりつけ医がいらっしゃる場合)
- 健康保険証
- 医療証(お持ちの方)
- 介護保険証(お持ちの方)
- STEP.1 お問い合わせ
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まずは、当院にお電話でお問い合わせください。患者さまのお身体の状況や生活の様子などについてお伺いし、在宅医療のご利用が可能かどうかを判断させていただきます。在宅医療のご利用が可能であると判断した場合は、日時を調整し、医師がご自宅に訪問します。
また、訪問診療をご利用されるかどうか決めかねている場合も、在宅医療の仕組みや料金などについてご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。
- STEP.2 ご自宅に伺います
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お約束した日時に医師が患者さまのご自宅を訪問し、診療をします。
- STEP.3 検査・処置を行います
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患者さまのご病気やお身体の状態に合わせて必要な処置を行います。
- 点滴/注射
- がん薬物療法専門医による専門的な抗がん剤治療/副作用管理(原則保険診療)
- 胃瘻/経鼻経管栄養の管理
- 在宅中心静脈栄養管理
- 在宅酸素療法/在宅人工呼吸器管理
- 気管切開カニューレ交換・管理
- 膀胱留置カテーテル交換・管理
- 膀胱瘻・人工肛門の管理
- 喀痰吸引
- 褥瘡治療
- 麻薬等を用いた専門的な緩和治療
- 輸血
訪問診療時に、お薬が必要な患者さまには処方箋を発行しています。お近くの調剤薬局でお薬をお受け取りください。調剤薬局に行くことが難しい場合には、ご自宅までお薬の配達をしてもらうことも可能です。
- STEP.4 リラックスした状態で療養が可能です
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医師がご自宅に訪問して、検査や処置を行うため、訪問診療ではリラックスした状態で診療を受けていただけます。病院に通院する際には、移動するにも、待合室での待ち時間も患者さまのお身体にご負担をかけてしまいます。しかし、いつもの部屋でご家族がいらっしゃる状況で診療を受けられるため、穏やかな精神状態で療養をしていただくことができます。
- STEP.5 次回の予定を確認します
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初回診療時に、患者さまやご家族のご意向をお伺いし、医師の医学的な判断も踏まえてその後の治療計画を作成します。当院ではできるだけ患者さまのご希望を尊重し、適切な医療を提供したいと考えています。訪問診療に対するご希望や自宅療養に対するお考えがございましたら、お気軽にご相談ください。
最後に次回の訪問診療の日時を確認し、初回の訪問診療は終了となります。