プレシジョンメディシンがん遺伝子パネル検査
(がんゲノムプロファイリング検査)
個別化した治療のためのがん遺伝子パネル検査
がんゲノムプロファイリング検査とは?
がんゲノムプロファイリング検査とは、がん細胞内の遺伝子情報を解析して、患者さま一人ひとりにあった治療法を見つける検査のことです。がん細胞の遺伝子変異を特定することで、分子標的治療や免疫療法の有効性を判断します。検査結果に基づいて、個別化された治療計画を立てることができ、従来の治療よりも効果的にアプローチしやすくなります。そのため、がんゲノムプロファイリング検査は、最も効果的な治療を選択するための重要な検査であるといえます。
このように、がん治療において非常に有効な検査ですが、まだ一部の病院や施設でしか実施されていないのが現状です。地域によって受けられる環境に差があることは、がんゲノム医療の大きな課題となっています。
※2024年12月1日現在
日本における遺伝子検査の現状と実施率
日本において、がんに対する遺伝子検査の実施率は非常に低く、わずか約0.7%しかありません。つまり、ほとんどの患者さまが高度な検査を受けていない状況です。
出典:TECH+
保険診療では、遺伝子検査を1回のみ受けられますが、がん細胞は治療中に遺伝子変異が進行します。そのため、がん治療において再検査は非常に重要であるといえます。
こうした状況を打開するためには、がん遺伝子検査の普及とともに再検査の重要性を訴え、患者さまがより適切な治療を受けられる、そんな体制の整備が必要です。
当院では、自由診療にて保険診療のパネル検査より最新のがん遺伝子パネル検査を提供し、患者さまの最新のがん遺伝子情報に基づいた適切な治療を実現しています。
がん遺伝子パネル検査の課題と今後の展望
がん遺伝子パネル検査には、いくつかの課題があります。たとえば、特定の薬剤を治療で用いるためにコンパニオン診断(特定の検査で陽性がでないと保険診療の薬が使えない。検査そのものが1回しか認められていないものも多く主治医の検査選択で一生が変わってしまう可能性があります。)が必要であること、そして未承認薬の使用に関して法的な制約があることなどが挙げられます。
一部の薬剤は、遺伝子検査の結果に基づいて適応されます。しかし、保険適用される薬剤は限られています。また、保険診療と自由診療を併用する混合診療には法的制約があるため、未承認薬を使用する場合は特定の条件が必要です。このようなことから、患者さまの選択肢はかなり狭まってしまうことが問題です。
今後、遺伝子検査のさらなる普及はもちろん、法整備によってより多くの患者さまが最適な治療を受けられる環境が整うことが期待されます。
医薬品の適応判定を目的として承認された体外診断用医薬品又は医療機器の情報
(オプジーボ、キイトルーダの場合)
2024年6月19日版
コンパニオン診断薬等を用いる必要がある医薬品に関する情報 | コンパニオン診断薬等の情報 | |||
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販売名 | 成分名* | 適応 | 適応判定に利用可能な体外診断用医薬品又は医療機器** | 検査項目 |
オプジーボ点滴静注20 mg 同 点滴静注100 mg 同 点滴静注120 mg 同 点滴静注240 mg |
ニボルマブ(遺伝子組換え) | 結腸・直腸癌 | MSI検査キット(FALCO) | マイクロサテライト不安定性 |
FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル | ||||
Guardant360 CDx がん遺伝子パネル | ||||
Idylla MSI Test「ニチレイバイオ」 | ||||
ペムブロリズマブ(遺伝子組換え) | 非小細胞肺癌 | PD-L1 IHC 22C3 pharmDx 「ダコ」 | PD-L1タンパク | |
食道癌 | ||||
乳癌 | ||||
固形癌 | MSI検査キット(FALCO) | マイクロサテライト不安定性 | ||
FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル | ||||
Guardant360 CDx がん遺伝子パネル | ||||
Idylla MSI Test「ニチレイバイオ」 | ミスマッチ修復機能欠損 | |||
ペンタナ OptiView PMS2 (A16-4) | ||||
ペンタナ OptiView MSH2 (G219-1129) | ||||
ペンタナ OptiView MSH6 (SP93) | ||||
FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル | 潰瘍遺伝子変異量 | |||
キイトルーダ点滴静注100 mg | 結腸・直腸癌 | MSI検査キット(FALCO) | マイクロサテライト不安定性 | |
FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル | ||||
Guardant360 CDx がん遺伝子パネル | ||||
Idylla MSI Test「ニチレイバイオ」 | ||||
ペンタナ OptiView PMS2 (A16-4) | ミスマッチ修復機能欠損 | |||
ペンタナ OptiView MSH2 (G219-1129) | ||||
ペンタナ OptiView MSH6 (SP93) | ||||
ペンタナ OptiView MLH1 (M1) |
出典(一部改変):https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
当院が提供するがん遺伝子パネル検査の種類
一般的には保険適用されるためには臨床試験などの結果を経る必要があり海外の遺伝子パネル検査の進歩と保険適応パネルではタイムラグが存在します。現状で保険適応されている「Guardant360CDx」は薬事承認を得たバージョンが古いものとなります(74がん遺伝子しかみることができません)。当院では保険診療の10倍という広範囲な遺伝子情報を解析可能な「Guardant360 Infinity」(2024年12月現在740がん遺伝子パネル検査)により、個別化された治療をご提案します。
当院では、常に複数の最新のがん遺伝子パネル検査や治療選択肢の提案を行っております。この検査は2024年12月時点で慶應大学病院、愛知がんセンター、九州では鶴田クリニックのみで受けることができます。当院では検査結果返却のみでなく、複数のがん薬物療法専門医や薬剤師、看護師などで作られた院内倫理員会を経た最適な治療提案まで行います。
OncoGuide™ NCCオンコパネル システム |
FoundationOne® CD x がんゲノム プロファイル |
FoundationOne® Liquid CDx がん ゲノムプロファイル |
Guardant 360® | Guardant360 Infinity |
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検査対象 遺伝子数 |
|||||
114 | 324 | 324 | 74 | 740 | |
検体 | 腫瘍+血液 | 腫瘍 | 血液 リキッドバイオプシー |
血液 リキッドバイオプシー |
血液 リキッドバイオプシー |
検査の タイミング |
標準治療終了後 | 時期を問わない | |||
費用負担 | 保険診療 | 自費診療 |
引用(一部改変):https://cancer-c.pref.aichi.jp/
「Guardant 360®」と「Guardant360 Infinity」の違い
出典:ガーダントヘルスジャパン株式会社
当院での検査とその利点
保険診療のパネル検査は医療機関において、「標準治療が終了した末期がん患者」においてのみ遺伝子検査は1回のみしか行えません。
また遺伝子パネル検査で結果が出ても薬剤が未承認薬であり自由診療が病院で混合診療となりできないことから治療につながらないために検査を勧めない医師や抗がん剤治療をしているのにも関わらず紹介窓口のない病院も存在しています。
当院では、海外で承認されている薬剤等を海外から取り寄せる仕組み(税関や厚生局の審査なども代行)も構築しており、検査結果に基づいて患者さまに個別化された治療計画を立案できます。そして保険診療では受けられない、ドラッグラグのある薬剤などもエビデンスに基づいた最先端の治療を行う事のできる唯一の医療機関として、適切な治療としてご提供いたします。